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保育士等キャリアアップ研修とは
保育士の処遇改善と専門性の向上を図るために、2023年度より研修受講が必須となる保育士等キャリアアップ研修。ここでは厚生労働省が提示するガイドラインの概要や対象者、受講メリットやeラーニングをおすすめする理由などについてご紹介します。
幼稚園・認定こども園向け
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保育士等キャリアアップ研修の概要
これまで曖昧だった保育士のキャリアアップの仕組みを構築するとともに、一定の水準のもとでリーダー的職員を育成するため、平成29年に厚生労働省が制定したものです。
研修を受けた保育士は処遇改善等加算Ⅱの対象となるため、保育士の給与アップを期待することができます。また一般保育士から主任保育士になるまでの間に、段階的な役職ができたことで、保育士はこれまでよりもキャリアパスを描きやすくなりました。
中には一度現場を離れた人や、実習経験の浅い有資格者を対象にした研修も用意されているなど、潜在保育士が復帰しやすいよう配慮されている点もポイントです。
処遇改善が図れる一方で、これまで独自で研修や昇給制度を設けていた園は、2023年度以降、保育士等キャリアアップ研修を受講しないと手当が出せなくなるというデメリットも。該当する園は、概要の把握と計画的な研修の実施が必要となるでしょう。
※2021年8月更新 新型コロナウイルス感染症の影響を考慮し、研修要件の適用は以下のように変更となりました。
研修適用要件の主な内容
研修修了要件 | 適用開始時期 | 完全実施年度 | |
---|---|---|---|
副主任保育士・ 中核リーダー等 |
4分野 (60時間以上) |
令和5年度から段階的に | 令和8年度 |
職務分野別リーダー・ 若手リーダー |
担当する1分野 (15時間以上) | 令和6年度から | 令和6年度 |
これまで副主任保育士・中核リーダー等は、令和4年度から4分野(60時間以上)の研修修了を要件としていました。しかし令和3年6月18日に厚生労働省が発表した「処遇改善等加算Ⅱの研修修了要件の必須化時期の取扱いについて」では、新型コロナウイルス感染症の影響を考慮し、令和5年度から令和8年度までの間に、毎年一分野ずつ研修修了数を追加し、令和8年度に完全実施することとしています。
一方、職務分野別リーダー・若手リーダーは、副主任保育士・中核リーダー等から一年遅れの令和6年度から要件が適用されます。こちらは初年度から1分野(15時間)の研修修了が要件となります。
保育士等キャリアアップ研修を
受けるべき3つのメリット
この研修は保育士はもちろん、園にとっても大きなメリットのある制度です。その内容を詳しくご紹介していきます。
メリット1.保育士の処遇改善が図れる
国の補助金対象となる役職が増えるため、園は保育士の処遇改善を図ることができます。
平成27年度に厚生労働省が発表した調査によると、保育士の59.0%が「給与・賞与等の改善」を望んでいることが明らかになりました(※1)。実際に常勤の保育士の経験年数は2年未満が最も多く、7年未満の保育士が多くの園で半数を占める状況です。
※1:保育士等における現状(第1回 保育士等確保対策検討会 平成27年11月9日 資料4)
http://www.hoyokyo.or.jp/nursing_hyk/reference/27-2s5-5.pdf
保育士等キャリアアップ研修は、こうした保育士の処遇改善が大きなテーマとなっています。具体的には副主任保育士、専門リーダー等については月額4万円、職務分野別リーダー等については月額5,000円が加算されます。(「専門リーダー等」「職務分野別リーダー等」についてはこの後の項で説明します)
ただし、研修を修了したすべての人が、必ず給与アップを見込めるわけではありません。副主任保育士および専門リーダーに関しては、加算対象者の概ね1/2に4万円以上、専門リーダーに対しては概ね1/5に5,000円以上を支給することとされており、それ以外の職員に対する支給配分については園に一任されています。
残額については5,000円以上4万円未満であれば、他の職員に配分が可能です。職員に公平に分配するためにも、園では事務分掌や組織図の作成や、昇格制度の明確化などが必要となるでしょう。これは保育士のキャリアパスを明確化することにもつながります。
既に手当や基本給に反映されていることもあるので、お勤めの園に確認しましょう。
キャリアアップの仕組み導入後の処遇改善ルールと例
定員90人、職員17人のモデル(公定価格前提)の場合
※職員構成:園長1人、主任保育士1人、保育士12人、調理員等3人
※上記以外に「質の向上」を目的に、職員全体に対して2%(月額6千円程度)の処遇改善が実施されます。
キャリアアップ研修と処遇改善の全体イメージ
メリット2.保育士の専門性が高まる
保育士に研修を受けさせることは、園の保育の質を高めることにもつながります。近年、子どもや子育てを取り巻く環境は大きく変化しており、社会や地域が求める園の役割が多様化しています。
こうした中で必要とされるのは、各教育および保育に対する正しい知識と、学んだことを現場の他の職員に共有し、園全体で生かしていこうとする力です。これは保育所保育指針の第5章「職員の資質向上」でも触れられています。
そのためには保育士一人ひとりがその専門性を高め、園全体として社会に求められる役割を果たしていく必要があります。こうした意味でも、研修を受けることで保育士の専門性を高める必要があるといえるでしょう。
メリット3.復職や転職保育士の実力の指標になる
保育士等キャリアアップ研修は県または特定の実施機関によって行われますが、たとえ別の県に引っ越したとしても、その効力が失われることはありません。
例えば、東京都で乳児保育研修を修了したあと、大阪府に転居したとします。この場合、発行された修了証は大阪府の園でも有効です。つまり東京都で積んだキャリアを生かして、大阪府の園でも働くことができるというわけです。
もちろん加算条件も変わりません。ただし、補助金の分配や各役職の割り振りについては園に一任されているため、必ずしも同じ給与が見込めるというわけではない点は注意が必要です。
また、自分の務めている保育園のある都道府県の研修だけではなく、別の都道府県の研修を受けることでも修了が認められています。例えば、東京都の保育園で働く保育士は、東京都のキャリアアップ研修はもちろん、神奈川県のキャリアアップ研修を受けることでも修了証を得ることができます。
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保育士等キャリアアップ研修で
生まれた新たな役職と各就任要件
園にとっても、保育士にとってもメリットの多い保育士等キャリアアップ研修ですが、誰でも受けられるというわけではありません。ここでは新設された役職と、就任の要件についてご紹介します。
副主任保育士
園のミドルリーダーとして、自園の運営や保育の質向上のためのリーダーシップなどが求められる役職です。
- <主な就任要件>
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- 経験年数が概ね7年以上であること
- マネジメント研修に加えて3つ以上の専門研修を修了していること
- 副主任保育士の役職が発令されていること
専門リーダー
8つあるキャリアアップ研修のうち、4つの専門分野を修了した保育士が就任できる、保育士のスペシャリストといえる役割です。
- <主な就任要件>
-
- 経験年数が概ね7年以上であること
- 4つ以上の専門研修を修了していること
- 専門リーダーの役職が発令されていること
職務分野別リーダー
キャリアアップ研修のうち、マネジメントおよび保育実践研修を除く6つの専門分野のいずれかを修了した保育士が就任できる役職です。専門分野ごとに保育士を置くことができる他、一つの専門分野に複数の保育士を任命することもできます。
- <主な就任要件>
-
- 経験年数が概ね3年以上であること
- 担当する専門分野の研修を修了していること
- 修了した分野のリーダーとして発令されていること
保育士等キャリアアップ研修に
設けられた専門分野
各役職に就任するためには8つの専門研修のうち、必要となるものを修了する必要があります。ここでは簡単にそれぞれの内容についてご紹介します。
いずれも他の保育士への助言や指導ができる力や実践力も必要とされており、1分野に付き15時間以上の受講が必要です。
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乳児保育
主に0歳から3歳未満児の、いわゆる「乳児」に対する保育について、その意義や適切な環境、関わり方や発達に応じた保育内容などを養う研修です。
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幼児教育
乳児以降の子どもに対する理解や適切な環境設定、発達に応じた保育内容などを学びます。
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障害児保育
障害児に対する理解や一人ひとりの状態に応じた保育計画の作成方法、また保育できる力を養います。
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食育・アレルギー対応
栄養に関する基礎的な知識とともに、食育計画の作成やアレルギーに対する正しい知識、対応について学ぶ研修です。園での食事の提供やアレルギー対応に関するガイドラインを作成できる力も同時に養っていきます。
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保育衛生・安全対策
保健衛生および安全対策に対する理解を深め、それぞれ適切な計画の作成や対策を実施できる力を養います。
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保護者支援・子育て支援
保護者や子育て支援を適切に理解・支援できる力を養うとともに、地域における子育て支援や虐待防止のための理解・対策について学んでいきます。
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マネジメント研修
副主任保育士に就くために必ず受講すべき研修分野です。ミドルリーダーに求められる役割や自園の運営、保育の質向上のために必要なマネジメント力、およびリーダーシップ能力を養います。
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保育実践研修
保育士資格を有しているものの、実習経験が乏しかったり、長い間現場で保育を行っていない方を対象にした研修です。子どもへの理解や、遊びと環境をとおして主体性を大切にした保育の展開など、潜在保育士などが安心して現場に復帰するための研修内容となっています。
※保育実践については、新卒保育士や潜在保育士向けの研修であり、2022年4月現在のところ処遇改善Ⅱの要件とはされていません。
保育士等キャリアアップ研修 おすすめの受講方法
給与アップが見込め、将来のキャリアパスも描きやすくなる保育士等キャリアアップ研修。しかし、1分野ごとに15時間以上もの研修を受けなければならないとなると、早めに受けておきたいものですよね。
それならeラーニングを取り入れている都道府県や団体を受講するのがおすすめです。
実はキャリアアップ研修は、いつでも受けられるわけではありません。他の研修同様、実施日が決まっている他、頻繁に行われているものではないからです。
その点、場所や時間を問わずにいつでも受講できるeラーニングは、忙しい保育士にとってもうれしい方法だといえるでしょう。
弊社のeラーニング「CareRaku(キャリラク)」は2021年の提供開始より1200人以上が受講した保育士等キャリアアップ研修のための教材です。厚生労働省の保育士等キャリアアップ研修ガイドラインに準拠しており、スキマ時間を利用して、数分単位でスマホやPCで受講することができます。有名講師が監修していることや、実践力を身につけるワークを取り入れていることもポイントのひとつ。現場で活かしやすい内容となっています。
- ガイドラインに準拠した豊富なカリキュラムと保育のプロである講師陣
- 豊富な制作経験をもつeラーニングのプロが作成
- 「学びやすい」解説動画や事例ドラマ、アニメーション、ノベルゲーム風ストーリーを使用
- スマホ対応でスキマ時間活用場所を選ばず自分のペースで学習
- 実践レベルまで理解を深めるクイズ/演習問題/レポート
- 他の受講生の回答で新しい気付きを生む
保育士等キャリアアップ研修を受けた
保育士様の声
弊社の保育士等キャリアアップ研修eラーニングをご受講された保育士様のお声を一部ご紹介します。
今回、他県からも受講できるようにして頂けたこと、本当に感謝しています。
いろいろなことがあり、時間のやりくりにかなり苦戦してしまいましたが、eラーニングでなければ受講することもできなかったですし、総合的に、学べる機会を与えて頂けたことに、ただただ感謝です。反省点は、次回に生きるようにしていきたいと思います。
自分の保育や子どもとの関わりを見直す機会ともなり、受講して良かったです。
改めて知ること、初めて知ることなど、いろいろ学びになって良かったです!
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